カウンセリング事例  愛の定義と一人の時間の過ごし方(40代 K美さんの例)

フラクタル心理学を使って、実際にどのようなカウンセリングを行っているかについて、具体例を紹介してご説明します。(※クライアントさんから了承を得て掲載しています。)

現在の問題と目指す未来

お母さんの気持ちが重い。お母さんが幸せではないのに、自分だけが幸せにはなれないと感じて前に進めない。最近太ってしまったので、痩せてキレイになりたい。やりたいと思う仕事があるが、まだ叶っていない。

問題となっている過去の出来事

6歳の頃。お母さんは夕方から夜遅くまで働きに出ていた。その間、一人で留守番をしていたので、一人で夕飯を食べたりお風呂に入ったりした。寂しい気持ちを感じないように、感情を切って時間が過ぎるのを待っていた。

チャイルドの勘違い

お母さんは私を愛してくれているなら、私を優先して、昼間の仕事に変えてくれるはず。そうしてくれないのは、私のことが大事ではないからだ。「私は愛されていない」と感じている。でも実際には、お母さんはちゃんと夕飯の支度をしてから仕事に出かけていたし、一生懸命に働いて自分を養ってくれていた。愛していない子供のために、そんなふうに頑張って働いてお金を稼いでこようとは思わない。本当は、お母さんが働いて養ってくれていることこそが愛そのものだった。

カウンセラーの解説

子供にとって、一人ぼっちで置いていかれるというのは大問題です。しかしながら、親としては色んな事情がありますから、四六時中子供と一緒にいる訳にもいきません。その色んな事情が、実は子供のためだったりするのですが、子供の狭い視野ではそのことに気が付くことが出来ず、「愛しているなら一緒にいてくれるはずでしょ!」という不満になってしまうのです。

チャイルドの愛の定義が「一緒にいてくれることが愛」となっているので、一緒にいてくれないお母さんは愛してくれていないということになっています。でも、親が一生懸命に仕事をしてお金を稼いできて、その大部分を子供のために使うというのは愛以外の何物でもありません。

ですから、ここでは「愛の定義」を変えてあげる必要があります。愛の定義を間違えていると、いつまでたっても愛を得られないということになってしまいますので、この勘違いをチャイルドにしっかりと教えてあげると良いのです。

また、K美さんは、愛の定義を間違っていることから「一人でいる=誰も一緒にいてくれない」つまり、「誰も愛してくれない」となってしまうため、一人の時間を有意義に使うということが難しくなっていました。一人で過ごす時間が、ただ時間が過ぎるための時間の使い方となっており、生産的な活動に使えていないのはとても勿体無いことです。

誘導瞑想を行った際、ご自身でそのことに気が付かれて、チャイルドに対して「もっとその時間をクリエイティブな活動の時間にしていこう」と提案されていました。とてもいい提案だと思います。じっくり考えたり、何かを集中して作り上げたり、一人でいるからこそ出来ることも沢山あります。ここをしっかりと修正すると、一人の時間はただ寂しい時間にはならず、自分の才能や能力を育てる生産的な時間となっていきます。

また、これまで一人でいる時に寂しくなると、時間をつぶすために食べてしまうというチャイルドの癖があったということですが、この時間をクリエイティブで活動的なものにすることで、やせてキレイになりたいという望みも叶いやすくなるでしょう。

修正が進むと・・・?

現在、K美さんのお母さんは遠く離れた場所で一人暮らしをしています。そして、K美さんの中の一人ぼっちで寂しいチャイルドがお母さんに投影されており「誰も愛してくれない。寂しい。」と思っている不幸なお母さんを作り出しています。でもこのチャイルドを修正して、チャイルドが「愛されている」と感じられて幸せになると、幸せなお母さんが現実化するはずです。さらに、お母さんもクリエイティブな活動を始めるかもしれませんね。