カウンセリング事例  完璧主義で苦しむ時とは?(30代 Mさんの例)

フラクタル心理学を使って、実際にどのようなカウンセリングを行っているかについて、具体例を紹介してご説明します。(※クライアントさんから了承を得て掲載しています。)

現在の問題と目指す未来

甘えたいという気持ちがパートナーシップで強く出てきてしまって困っている。両親は社会的には自立した大人だが、家では自分が甘えられている感じがする。また、完璧主義なところもあって、疲労感が身体に出ることも多い。結婚して幸せなパートナーシップを築くのが目標。

問題となっている過去の出来事

お父さんは農家の三男。親戚で集まる際には、家族間の上下関係を常に意識して会話をしている。そのため、娘(自分)の話をする際に、長所ではなく下げるようなことを言われてしまうので、馬鹿にされているような、見下されているような気持になってしまう。自分はダメなんだ、どうせ何をやっても見下されると感じた。だったら大人の言うことなんか聞かないようにしようと思った。

チャイルドの勘違い

両親はかなりきちんとした人たちで、ちゃんとお世話もしてくれたし躾けもしてくれていた。親に不満を感じているのは、チャイルドの当たり前の基準が高いから。

お父さんは自分を見下していたわけではなく、しっかりとヒエラルキーというものを示して教えてくれていただけ。そのおかげで今の自分は社会的に活躍できる人になれている。お父さん自身も社会的に成功しているが、それは思考の中でヒエラルキーが正しい位置にあるため。(チャイルドがアダルトの上にはなっていないから、チャイルドの間違った思考が優位になるような酷い現実が作られない。)

カウンセラーの分析

このクライアントさんは幼少期、実は相当過保護に育てられていました。そのため、当たり前の基準がとても高い子供に育ってしまい、弟が生まれて親の手と注目が半分くらいに減ってしまうと、不足感を持つようになりました。チャイルドが親に完璧を求めて親を責めているからこそ、今の自分自身にも完璧を求めてしまい、自分を責めて苦しくなっています。そして、甘えたい自分と自立したい自分が喧嘩しているので疲労してしまいます。

実は完璧主義で苦しんでいる人というのは、最初は親に完璧を求めたのが始まりでした。それだけ親に、自分の思う通りに動いてほしい、自分の思うようなやり方でお世話して欲しいという欲求が大きかったということです。なので、親に対して不満こそあっても、やってもらったことは当たり前と認識していて、あまり感謝出来ていない状態です。裏を返せば、それほどまでに小さい頃は思う通りに親に動いてもらっていたということでもあるのでしょう。そこをしっかりと認識して、親に対して不満を持つのではなく感謝するようにしていきましょう。

また、誰かに褒められるのを待っているというのも、とても依存的な態度です。何かを頑張った時には自分で自分のことを褒めてあげるようにしましょう。そうすれば、誰かに褒めてもらうよりもずっと心から満たされるようになります。もしも自分を褒められないのであれば、それは褒めることが出来ない原因があるからです。心の底から自分を褒められるように、実際に行動していくことも大事です。

お父さんからバカにされたと感じて、自分がヒエラルキーの下位にいることが不服でしたが、実はそのお父さんのしつけのおかげで、今社会的に活躍出来ている自分がいるのです。ヒエラルキーを正しくすると大きなメリットがあるのだから、それを教えてくれたお父さんに感謝しなければなりません。

修正を続けると・・・?

甘えたい自分(チャイルド)を自立する方向に修正することで、心の中の葛藤が減りますので疲れにくくなります。また、両親に対して不満を持つのではなく感謝する方向に向かえば、それがパートナーシップにも投影されていきますので、相手に過度な要求をしたりわがままを言うこともなくなってくるでしょう。

お父さんに対しては、ヒエラルキーをしっかりと正しくしてくれたことに感謝して、そのメリットを受け取っていくことが出来ます。例えばメリットは、以下のようなことです。

・無駄な争いがなくなって平和になる。

・上司が優秀で頼れる人になる。

・自分が上の立場になった時に忠実な部下ができる。

・自分が親になった時に子供が言うことを聞く。

・自分よりも大人でレベルの高い男性と結婚出来る。

・男性であれば、自分を立てて尊敬してくれる女性と結婚できる。