孫の二乗の兵法・フラクタル心理学的に考察 ~その2~

ソフトバンクグループ会長・孫正義氏の「孫の二乗の兵法」について、フラク心理学的な考察、その2です。

>>前回の記事(その1)はこちら。

※出典は、「孫の二乗の法則」(作者: 板垣英憲)

本日は2段目です。(それぞれの段に5つの項目があるので、全部で25項目です)

 二段目: ビジョン

 二段目は「ビジョン」。一段目の「志」よりも少し具体的な感じですよね。理念に基づいて、より詳細に未来を思い描いていきましょう。

 ①  頂(ちょう) ビジネスで登る山、目標を決め、頂上からの景色をイメージする

 これは、多くの自己啓発書にも書かれていることですが、とにかく未来を先取りしてイメージしてしまうことで、それが叶いやすくなるという心の仕組みを表しています。そのためには、まず目標を決めることは大事なことですね。

 フラクタル心理学でも、必ず受講生の方々に「これからの目標」を書いてもらいます。また、マスターコース中級では、実際に目標を達成していくために「積み上げる」ことを学びます。「思考が現実化する」のですから、意図的に思考をためていくことが可能です。

 また、フラクタル心理学でこの積み上げを重視しているのには、もう一つの理由があります。いわゆる「穴掘り」と呼ばれるニセの達成感を得るために、作らなくてもいい問題を作ってしまうのを防ぐのです。上に積み上げる達成感と、自分で掘った穴から這い上がる達成感は、少しだけ感情的に似ています。なので、積み上げる達成感を得られない時に、人は問題を自動的に作り出してしまうのです。このような角度からも、登る山を決めることは非常に重要なことなのです。

②  情(じょう) できる限り情報を集める

 これも、何かを判断する時、選択する時に重要なことですね。

フラクタル心理学では、すべての問題の原因は「怠慢・傲慢・無知」から来るとしています。情報がないというのは、ここでは「無知」ということになります。

 ただし、ここで気を付けなければならないのは、あなたに集まってくる「情報そのもの」が、実はあなたの思考の投影であるということです。ですから、情報を集める際には、その目的となる「心の意図」が非常に重要になってきます。その意図の大元が「怠慢」や「傲慢」である時に、問題のある情報を得ることになってしまうでしょう。

 そうならないためにも、まずはしっかりと「怠慢・傲慢」を修正しておくことが必要です。そして、自分や周りが成長すること、世界が発展していくことにいつでもフォーカスしていることが大切ですね。そうすれば、そのために必要な良い情報が勝手に集まってくることでしょう。

 ③  略(りゃく) 集めた情報を取捨選択して、絞り込む

こちらも先ほどの「情(じょう)」の項目で説明したことに関連しますが、無数にある情報から役に立ちそうなものを選んでいく時には、あなたが深い心で何を考えているのかが非常に重要です。

情報を取捨選択する時には、自分が子供目線で感情的な判断をしていないかどうかをしっかりと確認しましょう。誰の中にもこの感情的で未熟な自分が潜んでいます。だからこそ、大事な決断をする際には、視野の広い大人の目線で判断することを特に意識しなければなりません。そのような目線を忘れなければ、例え気に入らない人の発する情報でも、受け入れて活用することが出来るようになり、それは非常にメリットが大きいことなのです。

このような場面では、感情に振り回されないことがポイントになってくるでしょう。そうならないためにも、フラクタル心理学の修正法で、感情の塊であるチャイルド脳をしっかりと修正しておくことが必要ですね。

 七(しち) 七割以上の勝利が確信できるまで煮詰める

 「思考が現実化する」世界では、確かに「勝利」を思考している自分が「敗北」を思考している自分よりも多くならなければ、勝利は現実化しないでしょう。ですから、7割の自分が「勝てる」と思えるのであれば、成功は目の前ですね。

しかし、ここで注意が必要です。七割の勝利が確信出来ると言っても、それがたった5%の表層意識の中で考えていることでは全然足りません。というのも、あなたの認識出来ない深層意識は残り95%もあるのです。表層意識と深層意識を合わせた「全意識」が、あなたの100%の思考なのです。

深層意識の中で勝利を確信出来ているかどうかの指針は、深層意識の投影である「周囲の人」を観察することで分かります。どれだけの賛成者、協力者がいるのかが一つの指針となるでしょう。自分では認識出来ない深い思考は、周りの人を見ることでしか到底分かりません。だからこそ、人の話をよく聞くことがとても大切なんですね。

周りの人の7割を納得させることが出来るくらいによく練られたプランなら大丈夫!ということでもあります。

また、ここでも深層意識からのメッセージを読み取るフラクタル心理学のツール「LPD」が役に立つことでしょう。

 ⑤  闘(とう) 戦いぬく

 戦いぬくとは、「やり切る」ことです。あれもこれもと手を出すと、意識が分散してしまってどれもが中途半端に終わってしまうことになるでしょうから、ある程度何かに集中して一定量のエネルギーを注ぐことが大事です。

一つのことをやり抜くことは、人生の充実感や達成感にも繋がることです。せっかく登る山を決めたのですから、その山を登りきって、素晴らしい景色を楽しみたいですしね。

思考の量が一定量たまると、それが現実化します。なので、思考を注ぐバケツの個数はなるべく少なくした方が早くたまります。一つのことに集中して早く現実化させ、順番にそれぞれのバケツに思考を注いでいく方が、結果的に効率的に多くのものを得ていくことになりますよ。

ということで、二段目でした。

また続きも読んでくださいね!