フラクタル心理学を使って、実際にどのようなカウンセリングを行っているのかについて、具体例を紹介してご説明します。(※クライアントさんから了承を得て掲載しています。)
現在の問題と目指す未来
息子は、簡単なことを「出来ない」と言ってやらない時がある。親としては出来た方がいいと思うので「自分で頑張ってやりなさい」と伝えるのだが、怒って結局やめてしまう。もう少し根性のある強い人になって欲しい。
問題となっている過去の出来事
子供の頃、お姉さんが手のかかる子だったので、自分はあまり構ってもらわなかった。そして、世話してもらうのではなく母親を助ける役割にまわった。
お母さんのために家の手伝いや勉強をよく頑張ったので、お母さんに褒めてもらえたし、認めてもらえて嬉しかった。お母さんを助けることでそばにいることが出来るので、友達と遊ぶより家の手伝いをすることを優先していた。
チャイルドの勘違い
お手伝いや勉強というのは、本来親から褒めてもらうためにするものではなく、自分の成長や幸せのためにするものなので、たとえ褒めてもらえなかったとしてもやるべきこと。お母さんは役に立ってくれることよりも子供が幸せになることを一番望んでいる。
カウンセラーの分析
第一子は特に、下に弟や妹が生まれた際に親の注目が激減することでショックを受け、それを取り戻すために色々な悪あがきをすることがあります。わざと出来ないふりをするとか、何か問題を作るとかして構ってもらおうとすることがありますが、いい子にして褒められようとするという方法もその一つです。
クライアントさんの場合、子供の頃のパターンとして、大変そうなお母さんを助けることがその手段になっていましたので、それが第一子の息子さんにも投影されていました。
勉強やお手伝いを頑張ることは、全部お母さんに喜んでもらうためですから、お母さんが褒めてくれなかったり喜んでくれない場合、非常に不満がたまることになります。
このように、お母さんのために頑張るというやり方を続けていくと、認めてもらえない時、何か上手くいかない時などに、結局お母さんを責めることにも繋がってしまいます。そこには、自分の成長のために努力するという視点がすっかりと欠けているのです。
お母さんが娘にお手伝いや勉強をさせたのは、決して自分がラクしたいためではありません。子供の自立や成長を促すためであって、それこそがお母さんの本当の愛だったんですね。
修正を続けた結果
息子さんの「出来ない病」が嘘のようになくなり、自分から進んで何事にも意欲的に取り組むようになったとのことです。母親であるクライアントさん自身が、「努力するのはお母さんのためではなく、自分自身の成長のためだったんだ」ということに気付き、それが腑に落ちたので、それを投影していた息子さんにも変化が生じたということです。
クライアントさんにとって、これまで「頑張ってきたのは全部お母さんのためだった」という信じ込みは、あまりにも当たり前だったので、なかなかこれに気付くことが出来なかったということです。
このように、フラクタル心理学の修正法では、その方にとっての「当たり前」の思考に気が付き、変化させていくことが出来ます。
ぜひ、お試しくださいね!